2005.08.17 Wednesday
幻想と現実の境界線。
テレビのショックが大きくて、久しぶりに夜明かししてしまったくらげです。こんばんは。
今日見たのはNHK総合のアウシュビッツ。BBCがアウシュビッツ収容所の完成60周年を記念して作成したドキュメントの邦訳版です。当初はただの政治犯収容所だったアウシュビッツが、史上最悪といわれる大量虐殺専用施設として変貌していく様子が克明に再現されています。 為政者の狂気じみた思想もそうなのですが、ナチス構成員がそれを淡々と遂行したという事実が何より怖いです。学部生時代の講義で出てきたミルグラムの服従実験の話が頭をよぎったりしてもう大変。どう考えても非現実的なことなんだけれど、人間はそれを現実にしてしまう生き物であるという事実。ナチスの洗脳術が図抜けていたことは知られていますが、よりどころを失った人間の理性が斯くも危ういものであるという事実にはそら恐ろしさを覚えずにはいられません。 話の内容もさることながら、BGMが非常に効果的に用いられているのが印象的。映像やナレーションとBGMがマッチしていて、非常に恐怖感があおられます。使用されているのはバロックの宗教曲と思われるものが1曲、東欧の現代曲が1曲、あとの2曲は何だろう・・・。現代曲はN饗アワーで一度聴いたことがあって、そのときは非常にいい曲だと思ったんです。それだけに、受ける印象の落差に衝撃を受けています。 いろいろと考えさせられてしまうこの番組、5回シリーズで今週一杯放送されるとのこと。興味のある方、一度見てみてはいかがでしょうか。 |